株式会社ハピネックス

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品質内部監査チェックリスト作成の仕方

チェックリスト作成に関する基本的理解

作成の目的

チェックリストを作成する目的は、内部監査を効果的に行うためです。監査員は抜取方式でその品質システムの要素を評価します。
チェックリストは抜取方式で、“何処をどのよう方法で監査するか”をまとめたものです。
内部監査は、チェックリストに基づいて行われますが、これはチェックリストに記載がないものは調査してはいけない、という意味ではありません。

品質システム記述文書の事前確認

チェックリストを作成するに当たって監査員は、事前に被監査側が作成した品質マニュアル、手順書類の調査を行っておきましょう。これは後述する効果的なサンプリングにも役立つからです。

過去の不適合のレビュー

チェックリストを作成するに当たっては過去に実施した内部監査などで発見された不適合及び評価結果のレビューを行い、これらのフォローアップも計画に入れておきましょう。

チェックリストの作成

内部監査で何を調べるかに当たっては、何を見ようとするのか、何を見出そうとするのか、対象部署の主な機能(キーワーク)は何か、に留意してチェックリストを作成します。

チェックリストの様式

チェックリストは内部監査を実施する上での道標です。従って決まった様式はありません。一般的にチェックリストは各監査員が作成しますが、企業によっては予め作成された標準様式があるかもしれません。
そんな場合でも、チェックリストを作成する時は次のことを考慮するとよいでしょう。

  1. 監査で発見された不適合の客観的な証拠をメモできるように空欄を設けておく。
  2. 予め調べたい記録、文書の具体的な(監査証拠となる)名称をメモしておく。
  3. 調べようとする項目が何の基準文書のどの条項にあるかをメモしておく。

監査のサンプリング

内部監査はサンプリングに基づくものです。予め監査対象の母集団を調べサンプリング方法を決めておきましょう。

チェックリストの利点

チェックリストの利点は色々とありますが、主な利点は次のようなことです。

  1. 事前に調査項目を準備しているので、質問がまごつかずに進められ監査時間の節約になる。
  2. 監査中、記憶に頼る必要がなく重要事項のし忘れを防止し、重要項目を見落とさないですむ。
  3. 調査項目を合理的な順番に並べて円滑に進められ、秩序だった監査ができる。
  4. 確認する項目を系統立てて質問できるように、ある程度の深さまで事前に計画でき、監査の一貫性と深さを確保できる。
  5. 被監査者が質問に対してとんでもない回答をするかもしれない。この時監査者は話をもとに戻し、質問が目的から外れるのを防止できる。
  6. 調査に与えられた時間から、どのくらいの質問をするのかを前もって決められる。
  7. チェックリストを標準化して、修正または改善して繰り返し使用できる。
  8. 監査結果の記録を作成する際のメモを取るのに便利。

チェックリストの注意点

チェックリストを作成するにあたり「Yes/No」式のチェックリストにならないように注意しましょう。又、一方では質問の柔軟性を妨げることのないように気をつける必要もあります。これらのことに気をつけて、型通りの監査にならないようにしましょう。

監査のサンプリング

監査では、問題点の有無の判定にサンプリングの概念が必要となります。限られた時間の中で、限られた監査員で実施されるわけですから監査対象のシステムに含まれる全ての活動、作業、工程、文書及び記録を調査することは不可能です。
従って監査は、効率の良いサンプリングを行わなければなりません。監査で発見された不適合は、全システムの中の一部であり、水平展開して改善に取組む必要があること、及び、実地監査はサンプリング監査であることを、内部監査員及び被監査側の双方が理解しておく必要があります。

チェックリストの例

Aタイプ:要求事項1項目につき1枚のチェックリストを作成し、「深さ」を監査する。
Bタイプ:予めチェック項目を標準設定しておき、1枚のチェックリストに複数項目を設定することにより、「広さ」を監査する。

パフォーマンス評価方式チェックリストによる内部監査

ここではAタイプのチェックリストを作成する際、チェック項目を効率的にリストアップするためにプロセスアプローチの考え方を活用した「パフォーマンス評価方式チェックリスト」を紹介します。

プロセスアプローチにより有効性を評価するとは・・・?

1.プロセスの定義
ISO9001 品質マネジメントシステム-基本及び用語 で次のように定義されています。
3.4.1 プロセス(process)
インプットをアウトプットに変換する、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
参考1.プロセスのインプットは、通常、他のプロセスからのアウトプットである。
参考2.組織内のプロセスは、価値を付加するために、通常、管理された条件のもとで計画され、実行される。
2.プロセスアプローチの考え方
ISO9001 品質マネジメントシステム-要求事項「0.2 プロセスアプローチ」で次のように規定しています。
ISO9001規格は、品質マネジメントシステムの有効性を改善する際にプロセスアプローチを採用することを奨励している。
インプットをアウトプットに変換することを可能にするために資源を使って運営管理される活動は、プロセスとみなすことができる。
一つのプロセスのアウトプットは、多くの場合、次のプロセスへの直接のインプットとなる。
プロセスを明確にし、その相互関係を把握し、運営管理することとあわせて、一連のプロセスをシステムとして適用することを“プロセスアプローチ”と呼ぶ。
プロセスアプローチを使用するときには、次の事項の重要性が強調される。
  1. ・・・・・・
  2. ・・・・・・
  3. プロセスの実施状況及び有効性の成果を得る。
  4. 客観的な測定結果に基づくプロセスの継続的改善
従って、プロセスアプローチによる内部監査の視点は、有効性と改善となります。
また、「プロセスをシステムとして適用する」に関連して、インプット⇒プロセス⇒アウトプットの項目を調査し、以下の切り口で監査します。
  • インプットが充分か
  • プロセスが機能しているか
  • アウトプットが妥当か
*ISO9001 品質マネジメントシステム-基本及び用語 では次のように定義しています。
3.2.14 有効性(effectiveness)
計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度。
3.2.13 継続的改善(continual improvement)
要求事項を満たす能力を高めるために繰り返される活動。

PDCAの考え方

ISO9001 品質マネジメントシステム-要求事項「0.2 プロセスアプローチ」で次のように規定しています。

PDCAとして知られる方法論は、あらゆるプロセスに適用できる。
Plan :顧客要求事項及び組織の方針に沿った結果を出すために、必要な目標及びプロセスを設定する。
Do :それらのプロセスを実行する。
Check:方針、目標、製品要求事項に照らしてプロセス及び製品を監視し、測定し、その結果を報告する。
Act :プロセスの実施状況を継続的に改善するための処置をとる。

従って、PDCAが回っているかを確認するため、被監査プロセスをPDCAのステップに分解して監査するとシステムの有効性が確認できます。

ISO9001:2015内部監査員養成講座
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